YouTubeマーケティングの戦略の立て方
YouTubeマーケティングではまず、目的やターゲットを決めることが重要です。目的やターゲットが異なれば、動画の改善点や中間目標も異なってきます。
例えば、自社商品を広く認知させる事が目的であれば、KPIを「再生回数の増加」とします。しかし、自社商品を深く理解させることが目的であればKPIは異なります。
再生回数よりも視聴維持率を改善したほうが目標に近づくでしょう。
このように、YouTubeマーケティングではまず、目的やターゲットを決め、それを達成するための具体的なKPIを決めます。さらに、そのKPIを参考にPDCAを行い、目標に近づいていきます。
YouTubeマーケティングのKPIとは?
YouTubeマーケティングのKPIとは、YouTubeマーケティングを行う上で、自身で決めた目標を達成するための中間目標の事です。
適切なKPIを決めなければ、いつまで経っても目標を達成できないというトラブルを招く恐れがあるので、注意が必要です。
例えば、新規顧客を獲得することが目的であれば、質の高い見込み客である「チャンネル登録者数」をKPIに決めます。自社商品の認知度アップが目的であれば、「再生回数」をKPIに決めます。
このように、自身の目的に合ったKPIを設定することで、本来の目的から逸れることなく、自身の目的を達成することが出来ます。
クリック率
自社商品を多くの方に知ってもらいたい場合は、クリック率をKPIに決めると良いでしょう。
クリック率を高めるには、サムネイル画像やタイトル付けがポイントとなります。
ただしサムネイル画像やタイトルに偽りの情報を掲載し視聴者を釣る行為は、以下でご紹介する視聴維持率やチャンネル登録率などを下げてしまうことにつながりやすいので注意しましょう。
動画をクリックする時は、視聴者が「自分が知りたい情報がこの動画にありそう」と思った場合が多いです。
自社商品について知りたいと思っている方に向けて、サムネイル画像やタイトルに寺社商品名や簡単な商品説明を掲載すると効果的でしょう。
視聴維持率
視聴維持率は、視聴者が動画のどこまでを視聴したのかを指す値です。
再生回数が多くても視聴維持率が低ければ、自社商品の購入や利用には至りにくいです。
視聴維持率が低い理由には、「結論までに至るのは長い」「冒頭で結論を述べている」など、さまざまな原因が考えらえます。
原因を解明するには、YouTube Analyticsなどのツールを活用して、視聴者が離脱しやすい部分を明らかにすると、動画の改善点が見えてきます。
始めから離脱率ゼロの動画を作ることは困難なので、便利なツールを活用しながら動画を改善していくと良いでしょう。
再生回数
とにかく自社商品を知ってほしい場合には、再生回数をKPIに決めると良いでしょう。
再生回数が増えれば、関連動画やおすすめ動画としても表示されやすくなり、YouTubeマーケティング上では重視しておきたい情報です。
また視聴者の中には、「なぜこの動画は再生回数が多いの?」と、始めから自社商品に興味がなくても動画を再生してもらえるきっかけの1つとなり得ます。
自社商品への興味は後からでも獲得できるので、まずは認知度を高めるために再生回数を伸ばすことに懸念すると良いでしょう。
ただし、最後まで動画を見てほしい場合は、再生回数をそこまで気にする必要はありません。
グッド/バッドボタン
グッド/バッドボタンは、別名高評価/低評価ボタンを指し、動画が視聴者にどう捉えられているのかを表す値です。
もちろん高評価が多ければ、「この動画は定評がある」と判断され、多くの方が安心して視聴できるでしょう。
一方で低評価が多い動画は、「動画の内容に問題があるかも」と最後まで視聴されず、冒頭部分で離脱するケースが多いです。
クリック率や再生回数が多くても、視聴者に信頼してもらえる内容であるかが大切です。
コメント
視聴者がどんな商品・サービスであるのかを知る際には、動画の内容だけではなくコメントも参考する場合があります。
コメント欄にすでに利用したことがある方のレビューや感想、商品・サービスへの印象が記述されていると、新規顧客獲得や自社商品の認知拡大にもつながりやすいです。
ただし、コメント欄には良いものだけではなくアンチコメントも存在するケースが多いですが、良いコメントが多いとアンチコメントが埋もれる場合があるので、そこまで心配する必要はないでしょう。
しかし良いコメントを増やすには、やはり動画の内容がポイントとなります。
視聴後のチャンネル登録率
新規顧客の獲得を目標にYouTubeではマーケティングを行う企業は、動画視聴後のチャンネル登録率をKPIに決めると良いでしょう。
ただし再生回数やクリック率、視聴維持率よりも、チャンネル登録してもらう方が少しハードルが高まります。
チャンネル登録率を高めるには、自社商品や企業の魅力を十分にひき出せている動画内容であるかがポイントとなるでしょう。
またチャンネル登録を行うと、登録したチャンネルのみのタイムラインに表示されるようになるので、「これから配信される動画も視聴したい」を思ってもらうことも大切です。
チャンネル登録者数が増えれば、おすすめ動画や関連動画でも上位表示されやすくなるので、より新規顧客の獲得が期待できます。
基本的なYouTubeマーケティング活用方法3つ
企業が実際にYouTubeをマーケティングに活用する手法には主に3つのパターンがあります。
「YouTubeチャンネルの開設と運営」「広告配信」「YouTuberコラボ/キャスティング」です。
1.YouTuberコラボ/キャスティング
YouTuberコラボ/キャスティングの目的は、企業がYouTuberを新商品や企業のPR活動のために起用し、YouTubeで配信する動画を企画、制作して新商品の認知度や集客をすることです。
その手法としてYouTuberに出演依頼をすることが必要になります。
1. YouTuberに直接依頼する
YouTuberが事務所に所属していない場合には直接交渉を行います。その場合、コラボ企画の立案や動画の企画制作などを、全て自社で制作会社に発注したり、制作を行う必要があるため、経験がない場合にはYouTuber事務所やキャスティング会社に依頼すると良いでしょう。
2. YouTuber事務所に依頼する
YouTuberが事務所に所属している場合には、所属事務所に依頼をすれば出演に関する契約手続きはもちろん、動画制作をてしてくれることもあります。
YouTuber事務所はタレントのキャスティング会社のように手数料がないため、一般のタレントと比較すると出演料だけでなく、手数料代など総合的に安価で制作することができます。
3. 代理店やキャスティング会社に依頼する
コラボする商品の企画内容やイメージなどにマッチしたYouTuberの選定や、クオリティが高い動画制作を一貫して代行してくれるのが代理店やキャスティング会社です。
キャスティングから動画制作を全て担当してもらえますが、高い中間手数料が必要な会社もあります。
YouTuberはフォロワー数が人それぞれですが、フォロワー数が多い方が影響力が大きいため稼働の時間単価が高額になります。さらに、動画の高評価、低評価、クオリティなど商品コラボの場合には企画費用、商品を宣伝するための広告宣伝費、コラボ商品の購買の目標数などを合計し、これらの予算が回収できるように予算組みをすることが重要です。
YouTuberとコラボ/キャスティングする際には、宣伝したい商品や企業のイメージにマッチした人をキャスティングすることがポイントです。
YouTuberの選定は次のポイントを踏まえて選びます。
- 投稿している動画のジャンル
- チャンネル登録者数
- 動画の高評価・低評価数、およびコメントの内容
- 動画の再生回数
YouTuberを使うメリットとしては、
1. フォロワー数が明確なのでPRできる
2. 明確なターゲットに商品などがPRできる
3. SNSを通じてより多くの人に情報拡散ができる
以上の3つのポイントがあげられ、一方YouTuberを使うデメリットは、
- YouTuberとコラボした場合、YouTuberのイメージと、話題になる動画制作を重視するあまり、企業イメージとかけ離れてしまうケースもあります。そのためYouTuberのキャスティングは重要で、どこまでがYouTuberの裁量範囲かを明確に決めておく必要があります。
- YouTubeで活動するYouTuberは、規約に反すると判断されると動画が削除されるリスクがあるため、YouTubeの規約変更は、常日頃からチェックをする必要があります。
2.YouTubeチャンネルの活用
YouTubeは、動画を配信するたけで多数の人々がその動画をみています。最新動画は、投稿するとお知らせ機能で目立つように表示されるので、マーケティングに活用しやすいのが特徴です。
YouTubeチャンネルを活用する目的は大きく分けて2タイプあります。
- 商品PR
YouTubeは動画を自由に制作、配信することができるうえ、投稿料は無料で利用できます。商品の使用方法や使用感をダイレクトに視聴者に伝えることができるので商品PRに活用する企業が増えています。 - 広告収益
YouTubeは、ある一定条件に達すると広告が表示され収益が得られるような仕組みになっています。そのためYouTubeのチャンネルを新規事業として進出する企業も増えています。
YouTubeチャンネル活用の手法は、YouTubeチャンネルを使ってファンを増やし、企業やブランドの認知度を高めYouTubeにブランドや企業としてチャンネルを持ち、動画を通じて新商品や企業からさまざまなアイデアや情報を提供することでチャンネル登録者数を獲得して認知度を高め、商品購買につなげる方法があります。
YouTuberを使ってPRをする
YouTUberにはフォロワーやチャンネル登録者数が多く、影響力を持つ人も多数います。彼らのチャンネルを活用して、新商品のPRをすると話題になって新商品のPRにもなります。
YouTubeには動画の前後や途中に広告を配信する仕組みがあります。この広告枠を利用すれば、再生回数が多い動画で企業の商品PRをすることができます。
再生回数が多い動画では、多数のターゲットの目に入る可能性があるために効率的なPR活動につなげられます。
YouTubeを活用したメリットは、動画の種類の多さとユーザー数の多さと年齢層の広さ、そして広告の種類が動画を活用した方法の他にも3種類の広告枠があります。
- インストリーム:動画の前後や合間に流れる広告です。
- バンパー広告:スキップ不可で6秒の動画
- アウトストリーム広告:モバイル専用の広告でサイト、アプリなどYouTubeではなくネットワークに配信されます。
- ディスカバリー広告: 検索画面、動画再生ページに表示される見出し、説明文、動画再生ページをクリックすると指定のYouTubeの動画ページに誘導します。
その一方でYouTubeを活用したデメリットもあります。YouTubeは誰でも動画を配信できる手軽さはありますが、動画の人気や話題を作りチャンネル登録者数を確保するためのノウハウがあり、チャンネルを開設したから人気がでるものではありません。
動画は常に更新されないとチャンネル登録をした人に飽きられてしまう可能性もあります。そのため、常に新しい動画の企画、制作をして配信する必要があり、チャンネルの目標登録者数に到達するまでに時間がかかることもあります。
3.YouTubeの広告配信(Google広告)
YouTubeはGoogle広告にリンクすることができます。ユーザー属性とオーディエンスが設定できるので、効果的な広告戦略として活用することが可能です。
YouTube広告配信(Google広告)の目的は
- 認知:商品、サイト、サービスを知ってもらいたい時に活用する
- 比較検討: 自社の商品、サイト、サービスなどを他社と比べて購入を検討してもらう時に活用する
- 獲得: 自社の商品やサービス、サイトの利用者を獲得する時に活用する
その手法として前述のような広告枠があります。YouTubeの広告配信のメリットは、
- 適切なユーザーをターゲットにしてリーチできる
- ユーザーの記憶に残りやすい動画と音でアプローチできる
- 動画の再生回数から数値で効果を測定できる
以上のようなことが挙げられます。またデメリットとしては、
- 広告をスキップできるので、見てもらえない可能性がある
- 見たい動画の前に広告を強制的に見ないと動画が見られない設定をした場合、ストレスから悪いイメージに結びつくリスクがある
- ポリシーに適切かどうかを審査が必要なため、動画配信までに時間がかかる可能性がある
などが挙げられます。